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世田谷区立認可保育園で38名の集団感染

世田谷区立の認可保育園で、職員16名、園児22名の計38名(7月15日現在)の新型コロナ陽性者が発生した。25日まで休園となる。まずは、罹患された方々の1日も早い快復を祈念したい。

区内の保育施設において、30名を超える規模の集団発生はこれまでになく、保護者や職員はもとより、関係者の方々は不安と心配の只中に置かれている。すっかり忘れられているかもしれないが、「感染拡大を防止する」「クラスター化を抑止する」と大々的に謳った“世田谷モデル”は保育施設も対象だったはずだが、この件をもってしても、機能していないのは明らかである。


保坂区長はと言えば、ツイッターで「関係者の全員検査を行っています」とそっけない。もはや区長自身、“世田谷モデル”に飽きたのか、最近は、「ワクチンが足りないのは政府の失政だ!」とアクセルを踏みっぱなしである。

もちろん、政府に責任はある。特別区長会でも批判が噴出したという。それも当然だ。しかし、わが世田谷区に関して言えば、このワクチン供給減の問題が起こる以前から危惧されてきた接種にまつわる議会からの指摘を、保坂区長が真摯に受け止めてきたのか甚だ疑問がある。

たとえば、わが会派(無所属・世田谷行革110番・維新=F行革)は代表質問で、感染すると重症化しやすい医療的ケア児と接する人、教員や保育士、あるいは接種会場で働く職員などのエッセンシャルワーカーを先行接種すべきであると訴えた。しかし区長は明確な答弁をせず、未だに実施されていない。現に最近もこう呟いている。


わが会派が指摘したのは、6月14日の本会議においてである。練馬区や港区ではすでに優先接種を実施している。何をもたもたしているのかという思いである。「やろうと思っていたら、国のせいでワクチンが来なくなり、できなくなりました」とでも弁明したいのだろうか。それこそ失策というものだ。

世田谷には94万人の区民が生活している。常々申し上げているが、先手先手で事態に対処しなければ、区民の安全安心は得られない。区長には国の失敗を難じる前に、わが身を省みて欲しい。