昨日の安倍総理の会見にはがっかりした。大方の予想通り、緊急事態宣言は延長になった。31日まで続く。どういった基準で自粛要請が解除されるのか、つまり「出口戦略」は明確に語られなかった。このまま暗闇の中で、非常の生活を続けることはできない。
専門家に聞いて決める、ということを総理や都知事はよく言うが、この専門家というのが百家争鳴で、たとえば同じ医学を勉強していても、それぞれ見解を異にしている。そこから総合的に判断するのが政治家の役目であり、使命でもあるのだから、「責任を痛感している」(安倍総理)ばかりでなく、決断を下して頂きたい。小池都知事もお得意の「アウフヘーベン」は通用しない。選挙目当ての派手な演出だけでなく、実のある采配をお願いしたい。
毎度引き合いにして申し訳ないが、大阪の吉村知事は、活動を再開するにあたっての基準を①病床使用率、②検査を受けた人に占める陽性者の割合(陽性率)、③感染経路不明患者の発生状況の数値を定めて、発表するとしている。こういう具体的な方策を示し得るのは、専門家の言うことを聞くばかりでなく、リーダーがどこまで本気にコロナ禍に立ち向かっているか、ということ意味している。その点、国会はかなりの惨状を呈している。飲食店などの家賃支援策はいつ決まるのか。アルバイト学生支援は? 雇用調整助成金の拡充は?
あと約1ヵ月の過ごし方を考えた場合、このままでは、多くの人が“自主解除”してもおかしくない。総理会見では、美術館や図書館などの再開は認めるとしていた。世田谷区長も区民のストレスを緩和するために、無い知恵を絞って頂きたい。PCR検査を拡充することだけを自慢げに語っていても、無意味である。