先日、東京青年会議所主催の「世田谷区長選挙政策討論会」が開かれた(動画はコチラ)。議会での議論を思い返しながら見たので、個人的には余計に興味深かったとも言える。
本庁舎建て替えなど立候補予定者が議論 世田谷区長選 公開討論会 :東京新聞 TOKYO Web https://t.co/0WLNs67YgX
— 東京新聞編集局 (@tokyonewsroom) April 2, 2023
まず、一区民としての全体の印象。内藤ゆうや氏はよく勉強していると感じた。若いということもあるだろう、世田谷の可能性についての話が多かった。対する保坂展人氏は、ベテランの現職区長ということもあり、終始落ち着いて過去の実績を強調していた。簡単に言うと、「未来志向の内藤」か「現状維持の保坂」か、ということになるかもしれない。
さて、今度は一議員として聞いていると、やはり、保坂区長の言っていることに疑問符を付けざるを得ない。「区民の生命を守ることが第一」としながら、私の議会質問に対する答弁で、失敗したことが明らかになっている「世田谷モデル」を誇って語るあたりは、物事を客観視できていないこと表している。「退職金廃止の公約をなぜ撤回したのか」という内藤氏からの質問にも、よくわからない言い訳で逃げている。それは、議場での饒舌だが中身のない答弁そのものである。
これをもってして、「老練な政治家」との評価も少なくないのだが、問題は若かろうが年寄りだろうが、区民のための政策を実行できる区長かどうかということだ。この点、保坂区長の政策達成率は、実に40%に満たないことを区自ら公表していることからも、その実力のほどは窺える。
そもそも、「老練な政治家」というイメージは、保坂区長に似つかわしいのか。“リベラル”を持って任じる保坂区長は、やはり、世田谷の気風らしく明るく若々しくあるべきではないのか。最近とくに区長は疲れている様子である。この姿が区長職という激務から生じるものであれば、どこかでリフレッシュして欲しいと切に願うが、区長のモットーである「情報公開」からかけ離れた、保育園での虐待隠蔽問題などを見るにつけ、実はボロボロとメッキが剝がれているということであれば、それは致命的なことである。いずれにせよ、その真贋は近く区民に判断される。