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世田谷区庁舎工事延長、区長は単なる被害者ではない

老朽化による世田谷区役所本庁舎の建替え工事が、当初の工期から2年延長され、2029年に完成する予定となった。施工業者である大成建設の工程表作成などの全面的なミスによる。世田谷区は違約金7億7800万円を請求することになった。さらに、損害賠償も求めていくという。

(東京新聞から)

それは当然のことだが、一方で、保坂区長の振る舞いに納得できないところがある。そもそも本庁舎整備工事は、大成建設に発注したら完成までほったらかし、ということではない。世田谷区として絶えず進捗をチェックしなければならない。私もその点を区へ質したが、簡単に言えば、「工程表の不備を見破れなかった」ということなのだ。約600億円もの区税を遣って行う、数十年に1度あるかないかの大プロジェクトに向き合う姿勢に、甘さがあったのではないか。この点、まず区長は区民に詫びるべきである。被害者代表の立場に終始するのはおかしい。

それに、そもそも、区長が前川建築に執着するあまり、維持管理の難しい併設されている区民会館を保存することとなり、これが足かせとなって、建て替えプランの選択肢が狭まったことは事実である。区民からしばしば声が上がる交通の便の良くない、現在地からの引っ越しを含めた案も検討できたはずだ。わが会派は、震災時にも万全に機能する耐震性を重視した、豪奢でないシンプルな庁舎を希望してきたが、区長のこだわりで1期から3期までを要する難工事にならざるを得なくなったことは、今回の問題を招来した遠因になっているとの感を強くする。

世田谷区議会は20日から本会議が始まる。多くの議員がこの本庁舎整備問題を取り上げるだろう。議会の多角的な究明を期待したい。