昨日(7日)、世田谷区議会の子ども・若者施策推進特別委員会で、昨年12月13日、区内の認可外保育施設で、生後4ヵ月の乳児が死亡したことについて報告があった。私はこの委員会の委員ではないが、急ぎ傍聴した。
(NHKニュースから)
委員会室には報道各社が詰めかけ、注目度の高さを感じさせた。乳児の保護者は同時刻に記者会見を開いており、そちらにも多くの記者が向かったようだ。子を育てる親として、とても他人事とは思えない。我が子の可能性もあった。何よりも心からご冥福をお祈りしたい。
先ほど特別委員会で報告がありました。言葉では言い表せないほどの痛ましい事件。心からご冥福をお祈りいたします。世田谷区がやるべきは、徹底した検証作業と再発防止。保育園児死亡事件はこれで2度目。保坂区長の「いのちを守る政治」に偽りないか? https://t.co/AblyZGl5EA
— ひえしま 進(世田谷区議会議員🐶日本維新の会🐱世田谷区) (@hieshima_susumu) February 7, 2024
世田谷区は令和2年の児童相談所開設に伴い、認可外保育施設に関する指導監督権限を都から移譲された。当該施設にも毎年、立ち入り検査を実施してきたが、大きな問題はなかったと区は答弁した。ただ、度々、物が散らかっている様子などが窺えたとのことで、これを聞いたとき、保育資格を有する施設長と臨時職員2名の計3名体制で9名の子を見るということに、まず無理があったのではないかと感じた。
認可外保育で4カ月男児が死亡、園長「うつぶせだった」 世田谷区 https://t.co/HU6ufyErfo
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) February 7, 2024
施設長はメディアの取材に「うつぶせ寝をさせていた」と答えているが、言うまでもなく、うつぶせ寝は赤ちゃんを育て始めたときに、「やってはいけないこと」の筆頭に教えられるもので、私も必ずゲップをさせることと共に、常に気をつけていた。それが保育施設で行われていたのに、区が指摘できなかったとすれば、検査の仕方に問題があったと言わざるを得ない。うつぶせ寝については、預けている複数の保護者が証言しており、施設で常態化していた可能性が高い。
死亡事故について、保坂区長は以下のようなコメントを出している。
当該乳児のご冥福をお祈りするとともに、心からお悔やみを申し上げます。現在、捜査中と聞いていますが、区としては今回の原因を究明し、検証委員会を立ち上げて再発防止を促します。また、区内で0歳児を預ける認可外保育施設を対象に実施している緊急抜打ち検査を2月中旬までに完了させます。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) February 7, 2024
世田谷区では20年前、区立保育園で死亡事故が発生している。その時以来、世田谷区は神経質なまでに「保育の質」にこだわり、子どもたちの安全、安心に気を配ってきたはずだ。昨日の委員会での担当部長の悲痛な表情は、何よりもその心中を物語っている。保坂区長自身も「いのちの政治」を掲げてきた。
そうであれば、保坂区長には施設の検査方法はもとより、保育行政全般の見直し・総点検をお願いしたい。世田谷区の「保育の質」が、ただの空念仏になるかどうかは、今回の徹底的な調査・検証とそれを踏まえた実行にかかっている。