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大成建設に屈した“言うだけ番長”の世田谷区長

世田谷区議会では中間議決の本会議が開かれた。32本の議案が審査され、各会派が採決を行った。中でも注目されたのが、工期が大幅に遅延している本庁舎整備に関して、世田谷区が示した大成建設側との和解案である。


大成側の落ち度で大幅に遅延することが判明した昨夏以降、保坂区長は記者会見などで契約書に定められているペナルティ以外の「目に見えない、数値化しづらい損害についても求めていく」などと発言し、あたかも損害賠償訴訟も辞さないような口吻だった。しかし、待てど暮らせど数値化されず、ようやく出てきたこの議案でも、その部分はこれから大成側と交渉する、と曖昧にし、結局は、契約書に基づいた計算式に当てはめただけの、さらには、かなり大成側に寄った弱腰の和解案となっていた。全くの論外である。

世田谷区は大成建設と18回も交渉したと胸を張り、出て来た違約金額が16億円だと言うのだから、子どもの使い以下ではないか。わが会派(日本維新の会・無所属・世田谷行革110番)の試算では、最大58億円の請求を大成側に突き付けることができる。同じ契約書を読んで、なぜこれほどの乖離が生じるのか。最初から低い球を投げて、安易に落とし所を決めることを交渉とは言わない。区民感情をまったく理解していない。


そもそも、保坂区長の「先頭に立つ」「リーダシップを発揮する」などの“言うだけ番長”ぶりはいつものことだが、大成社長と直接交渉したのはたった1回だけ。あとはすべて部下任せ。この姿勢を見ても、率先して問題解決に当たろうとする気概はまったく感じられない。番長どころか、番犬にすらなっていない。

この和解案は、わが会派の反対もむなしく、自民・公明・立民・共産などの賛成多数で可決された。