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都知事選を振り返る――石丸伸二氏を応援して

東京都知事選が終わった。私が応援した石丸伸二さんは次点だったが、165万票も集めたことは刮目すべき事実であり、その後の社会の反応を見ても、大きな事件であることは間違いない。


私が東京維新の会(日本維新の会東京都総支部)に離党届を提出して記者会見を開いたのは、6月28日(詳しくはコチラ)。それから間もなく、このことについて、音喜多(東京維新)幹事長が、「補欠選挙の初日にわざわざ党にダメージをあたえる形で記者会見を開かれたことは大変遺憾です。」とポストされたが、正直言って都議補選のことは私の頭になく、そのような意図はまったくなかったことは断っておきたい。

さて、離党届を出してから、私は市ヶ谷の石丸伸二事務所に足を運び、タイミングよく街宣から戻って来た石丸さんにご挨拶した。石丸さんは物腰柔らかな人で、名刺を手渡すと「やってしまいましたか」と言って苦笑していた。その足ですぐにボランティアセンターに行き、チラシを受け取ってから、メンバーと一緒に世田谷区でポスティングや配布活動を開始した。


すでに様々に指摘されているが、下馬評を覆して石丸さんがこれだけの票を集めたのは、登録者5000人というボランティアの方々の力が極めて大きい。それも、各分野のエキスパートが続々と手を挙げ、それぞれの能力を遺憾なく発揮する。ただでさえ、高いスキルを持った人材を集めるのは容易なことではないが、それを石丸陣営はすでに実現していた。私自身も議員だからといって、特別扱いされないことが嬉しかった。

石丸さんはしばしば「選挙を楽しもう」と呼びかけていて、参加している人々が本当に楽しそうで、よく選挙にありがちの「悲壮感」や「必死さ」とはまったく無縁だった。小池さんや蓮舫さんはライバルではあるが、彼女たちと闘っているというよりも、「東京を良くしたい、日本を良くしたい、だから石丸伸二を応援する」ということでしかない感じだった。みんなが思い思いに参加し、「また来ますね」と爽やかに去って行く。その繰り返しだ。


実際、街の反応は頗るよく、チラシも次々に受け取ってもらえる。スーパーの前では駅前よりも人の流れが緩やかであることもあって、立ち止まって会話もできた。大声で主張したり、こぶしを振り上げるわけでもないのに、有権者からはただただ「いまの政治にうんざり」「新しい人を望む」という静かではあるが、強い意思が伝わってきた。その時、「ひょっとすると、石丸さんはいけるかもしれない」と思った。


結局、当選は叶わなかったものの、有権者の変革を望む「静かで強い意思」は、選挙後の今も確実に続いている。いや、日に日に大きくなっている感すらある。石丸さんについては、専門家や評論家が何かと“口撃”しているが、多くはステレオタイプに堕しており、現場にいた体感からすると、ずいぶん見当ハズレに感じる。石丸さんの今後はまだ明確な形を伴っていないが、日本の政治を、社会を変えるダイナモであり続けることは間違いない。しかも、これまでにない、まったく新しいそれである。