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おかしくない? 世田谷区の「子どもの権利条例」

世田谷区議会は3日間にわたって、交渉会派による代表質問、議員による一般質問を行った。

わが会派は、主に①世田谷区本庁舎整備の遅延に関する賠償交渉、②「子ども条例」の改正、③主要生活道路106号線(恵泉通り)の早期完成に関して質問した。ここでは、「子ども条例」の改正について触れたい。

保坂区長はこの条例を「子どもの権利条例」と名称変更し、より子どもの意見を強く反映させたものに改正するとしているが、なかでも前文にある子どもたちからの「大人へのメッセージ」を読むと強い違和感を覚える。

一読して、世田谷区で育つ子供たちが、かくも不自由に感じているのか、と驚く。正直、どこかの抑圧的な国に住む子どもが、悲鳴を上げているようにも受け取れる。はっきり言って、世田谷の子どもたちを取り巻く環境は、かなり悪いと判断せざるを得ない内容だ。であれば、保坂区長の看板政策である「教育の充実」は失敗に終わっているということだろう。今後どのように改革するのか、具体的な政策を早急に示すべきである。

また、最後にあるように「『できるかできない』じゃなく、『やったかやっていない』で評価し、がんばったことをほめてください。」との要求は、そのまま大人たちが受け取った場合、いざ子供たちが社会に出たときに、このような姿勢がまったくまかり通らないことについて、どう責任を取るのだろうか。あるいは、現在の学校教育の場で、いくら成績が悪くても、「頑張ったんだから、ほめてください」と言われて、どういう指導ができるのだろうか。

子どもの意見を丁寧に聴くことは大切ではあるが、そのまま掲載することで、いかにも子どもを尊重しているように見せかけるのは、不誠実である。子どもにとって不都合なことは改善すべきだが、そこには大人の判断が必要である。どうも、子どもの権利条例とは名ばかりで、保坂区長に通底する「やってる感」を醸し出すツールに使われている気がしてならない。わが会派はこのまま認めるわけにはいかない。

※この条例改正については、広く区民の意見募集を行っています。締め切りは10月15日。
ぜひ皆様のご意見をお寄せください。詳細はこちらをクリック。