世田谷区議会は令和6年第3回定例会を終えた。長丁場の決算特別委員会では、各会派が活発な質疑を行い、世田谷区の様々な課題が浮き彫りになった。ひえしまの会派は、一般会計歳入歳出決算認定について唯一反対した。
反対理由はいくつもあるが、まず、端的に言えば、保坂区政の実行力のなさにある。学校改築など着実に進めなければならない事案について、「長寿命化」などの理由をつけて何かと工事を遅らせている。そして、道路をはじめとする生活インフラの整備も遅々として進まない。予算執行率を見てみると、令和4年度は91.2%だったが、令和5年度は88.8%となり、お金を使わないことがすなわち善、との短絡思考が見て取れる。コストカットは念頭になければならないが、必要な事業を実施しなければ、区民の安心、安全は図れない。頻発する災害を鑑みても、早急に手を打たなければならない案件が目白押しなのに、である。
また、区長が“改正”を目論む「子どもの権利条例」についても、子どもの主張だけを一方的に掲載し、義務については一切触れないというのは、偏っているのではないか、などの指摘が何人もの議員から相次いだ。この手の自分のやりたいものについては積極的だが、そうでないものは後回しにし続ける保坂区長の態度は極めて問題である。職員の不祥事、やる気のなさなど、長期政権特有の弛みも随所に露呈している。引き続き、粘り強く、指摘と提案を行っていく。