昨日、世田谷区議会本会議で令和7年度予算が賛成多数で可決され、第1回定例会が終了。ひえしまの会派(無所属・世田谷行革110番)の4人だけが、一般会計予算に反対しました(国民健康保険事業会計など4件には賛成)。以下、理由を述べます。
まず、保坂区長は新年度予算について、区民に十分な説明を行っていません。それどころか、区長自身が予算の内容を把握していないのではないか、とすら思えます。区が発表した予算のテーマは「学習する都市」とのことですが、学習しなければならないのは、世田谷区民ではなく、行政の方ではないでしょうか。その説明のいい加減さは、「令和6年度 世田谷区実施計画推進状況」にはっきり表れています。
そこには、「(これまでは)行動量・成果指標とともに、2月の常任委員会で修正後の目標値を示していた」と記されていますが、「令和7年2月の常任委員会では修正後の目標値を記載せず、以後、再調査を行う」と書かれています。さらに、「その調査結果をもとに、令和7年9月の常任委員会で報告する予定です」と臆面もなく述べています。
このことは、予算案が議会に示される際に、成果指標の目標値は決まっておらず、曖昧のままだったということを意味しています。つまり、予算説明は不十分のまま、「9月までどうなるかわかりませんよ」と言っているのです。わが会派が指摘してきた、保坂区政に蔓延している「緩慢さ」と「杜撰さ」が申し分なく表れています。目標値すら決まっていない事業に、区民の血税を投入してよいわけがありません。
保坂区政は4期目の折り返し地点にあります。「区民の税金を使っている」という意識が、ますます薄れてきていると感じざるを得ません。本来、税金は区民が必要としている道路や施設などの整備のほか、物価高騰対策など生活支援のために、適時適切に投入しなければならないはずですが、「貯金こそが善」という、貯め込む一方の保坂区政の姿勢は、自治体経営として正しいのでしょうか。
それに、本庁舎整備や公共事業にまつわる、あるいは公金紛失などの不祥事の続発、区職員のメンタルヘルスの悪化、区民から指摘されるまで仕事を放置する等々、組織風土が乱れています。区長が何らリーダーシップを発揮せず、従来のこなし仕事に安住し、不断の組織改革を怠っているせいです。「参加と協働」という保坂区政の看板は埃をかぶったまま、朽ち果てています。
保坂区長が初当選以来、唯一、一貫しているのは、区議会の軽視です。区民からの陳情を全会一致で可決した火葬場建設について、一切予算を付けないという振る舞いにすべてが表れています。このような区民軽視の独りよがり予算には、断固反対です。