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【世田谷区】本庁舎「地下水利用システム」にトラブル

ひえしまは世田谷区議会本会議で代表質問に立ち、災害時に区民5万人へ飲料水を提供できるとしていた世田谷区役所本庁舎の「地下水利用システム」にトラブルが発生し、支障をきたしていることを指摘。区の対応を質しました。


地下水利用システムは、東日本大震災をきっかけとして第三庁舎に隣接して設置。1日10トンの水を汲み上げることができ、平時は庁内で広く活用されてきました。また、災害時には5万人の区民に飲料水を提供することができるとして、保坂区長もさまざまな機会に宣伝され、他自治体からも注目されてきたものです。しかし、この度の庁舎整備に伴い、別の庁内敷地に移設したところ、汲み上げる水量が著しく減少し、従来のような機能を果たせなくなりました。

区の説明では、「水量は戻る可能性がある」とのことですが、地下水の状況を的確に把握するのは、専門家でも極めて困難であると言われています。ですから、水量の見通しについては、多分に所管の希望的観測に過ぎず、このまま水量が戻らない場合のことも当然、考えておかなければなりません。そうであれば、庁内利用はもとより、想定されていた災害時の区民5万人への飲料水の供給はできなくなり、災害時対応に大きな影響を及ぼすことになります。このまま地下水利用システムが活用できない場合、区民への飲料水の確保と供給はどのように行うのか訊きました。

区は答弁で、現在は地下水利用システムが活用できていないことを認め、庁内での飲料供給を停止。さらに驚くべきことに、たとえ復旧しなかったとしても、災害時の区民5万人への提供は、ほかの給水拠点から賄うことができるので問題ないと言うのです。しかし、かつて保坂区長は以下のように答弁しています。

この世田谷区役所駐車場だった場所に、第三庁舎横に地下水利用システムというものができ上がりました。災害時の飲料水がここで確保されたと。そして、これはもう職員のみならず緊急時には周辺にお住まいの住民の皆さんに対する飲料水ということで、約五万人分というふうに聞いております。この井戸と浄水設備は、いわばミニ浄水場と言ってもいいような機能を持ち、区内外から、例えば他の自治体からも見学の申し込み等もあって、静かな反響を呼んでいるというふうに受けとめています。

地下水利用システムの設置によって、周辺住民の飲料水が確保できた、と明確に述べています。ですから、同システムが稼働しなければ、災害時に飲料不足に陥るはずですが、所管の認識では「問題ない」と言うのです。このことは、区長の言っていることと矛盾しており、何のためのシステムなのか判然としません。このまま水量が戻らなければ、またまたボーリング調査を続けることになり、多額の血税を使うことになります。同システムがなくても供給に問題がないのであれば、こだわる必要はないと思います。そもそもの導入が、いつもの保坂区長の思いつきに過ぎないことは明白で、真意は答弁の最後の赤字部分にあるからです。

区長は自分が目立つために、思いつきで区役所を利用するのをやめ、根拠を明らかにして区民のための政策判断を行うべきです。引き続き指摘して参ります。