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【世田谷区長自宅問題②】“保坂スキーム”は許されるのか?(建ぺい率・容積率編)

前回は、保坂展人・世田谷区長の自宅問題、とりわけ「接道」について論じた(コチラ)。

読者からかなりの反響があって、「30年以上も前のことをとやかく言うな!」という声もあったが、区長の自宅は2025年現在只今も、接道義務を果たしているのか疑わしい、のである。前回も示した公図を再び見て頂きたい。


ピンク色が保坂宅で、その隣の紫色が「借りた」と区長が言っている土地だが、それは、1992年に建築確認申請を出したときに、「一瞬」だけ「借りた」疑いが濃厚である。なぜなら、実は2021年に、公図の3382-8の土地を購入しているからである。つまり、すでに「借りているはず」の土地の一部をわざわざ買って、駐車場にしているのだが、保坂宅と行き来することが極めて困難な作りになっている。さらに、狛江市と世田谷区に跨っていることから土地に段差が生じており、この状態を接道していると認定できるのか? という疑義が生じている。建築士に見てもらっても、「接道しているとは言い難い」ということである。このことは、区長になってから行っていることなのだから、しっかり区民に説明すべきである。

さて、上の写真は、保坂宅の台帳記載事項証明と登記簿である。台帳記載事項証明では、敷地面積233.38㎡、建築面積62.41㎡、延べ面積116.25㎡となっている。しかし、登記簿では、土地面積114.94㎡、1階面積61.26㎡、2階面積54.36㎡となっているので、1992年の建て替え時に借りた紫色の土地面積は、約118㎡であったことがわかる(正確には借りたことにしている)。

狛江市は建ぺい率40%、容積率80%と決められている。保坂宅は外観からもすぐわかるが、敷地目いっぱいに家屋が建っており、独特の意匠を凝らしたもので、周辺の戸建てに比べると実によく目立つ。万一、火災でも起きようものなら、瞬く間に一帯に燃え広がる恐れがある。建ぺい率、容積率の超過についても、疑いの目が向けられるのは当然と言える。

こうして見てくると、“保坂スキーム”を使えば、接道問題をクリアでき、さらに法定の建ぺい率・容積率を超えた大きな家を建てることができてしまう。この手口が横行したらどうするのか?  世田谷区民がこの手法で申請した場合、区は認めるのだろうか? 認めないとして、「区長は許されているのに、区民がダメなのはおかしい!」という声に反論できるのだろうか?

“保坂スキーム”は世田谷区の建築行政の土台を揺るがすことになる。ゆえに、保坂区長はこの自宅問題と区の対応について、速やかに区民に見解を述べるべきである。