昨日、小池都知事の会見があった。1日で最多の41人の感染者が確認され、週末の外出は自粛せよとのこと。要請は来月4月12日まで。
会見は20時だったが、その直後、スーパーでは行列が出来、冷食やカップ麺が売り切れになったという連絡があった。トイレットペーパーや箱ティッシュは、相変わらず手に入らないが、同じようなことになるのだろうか。
多くの都民は都市封鎖(ロックダウン)が起り得ると思い、その心理がこういった行動に走らせているのだろうが、政治家はその先の展望についても語らないと無用な混乱を引き起こす。自戒を込めてそう思うわけだが、今回のような伝染病の場合は感染者の増大がどの程度になるかということは、専門家すら予測がつきにくく、とくに小池知事は7月に選挙を迎えるわけで、行政の長として失敗は避けたいわけだから、より慎重な物言いになるのもわからないわけではない。とはいえ、1400万の都民の生命、生活を守るためには、自分の政治生命を賭けて要所要所で決断をしていくほかない。
世田谷区については、今のところ感染者1名ということになっているが、92万人が生活していることを考えれば、検査を通していないというだけで、実際の感染者はそれなりにいると推定することが自然だろうし、今後どれくらい陽性とされる人が出るかまったく見当がつかない。それは保健所もそうだと言っている。万一、区内で相当数の感染者が認められた場合、これまでの様子を見れば、保坂区長が的確なリーダーシップを発揮して感染を抑え込む、というような可能性は望めず、区内が混乱する恐れがある。しかし、区としては、すべて都の判断に委ねられており、我々の裁量は限られている、あるいは皆無なのだから責任は都にあります、という逃げ口上を用意しているだろう。
それでは困る。区長は常々、「世田谷区を政令市に」などと言っているが、政令市長であれば、権限の広さはこれまでとはケタ違いであり、それにふさわしい責任の重さが加わる。これに耐えうる力量があるのかまったくもって心もとないが、実際、政令市ではない。こういった未曽有の事件が起きても、あるいは重大な判断を求められるシーンがやってこようとも、「制度上できない」わけだから、ある意味、彼は「救われている」とも言える。
事態は刻々と変わる。私個人としても情報収集に注力し、役所をせっつきながら区民の安心に寄与したい。