世田谷区議会は第3回定例会の代表、一般質問を終えた。10月からは各領域ごとに質疑する決算特別委員会が始まる。
注目されたのは、区立小中学校の給食費無償化について、保坂区長が決断するかどうかだった。議会ではわが会派(無所属・世田谷行革110番・維新)のほか、公明、立民が実現するよう要求。しかし、区長は財源確保を理由に明言しなかった。
区はすでに一部の世帯について無償化を実施しており、年間約7億円を投じている。全世帯の無償化となれば、追加で約20億円が必要になることが、二の足を踏ませている。一度、スタートさせれば引き返すことは出来ず、毎年巨額の予算を計上しなければならない。しかし、昨今の物価高騰やコロナ禍の影響による家計逼迫を考えれば、なおのこと、未来への投資を細らせてよい理由はない。今月7日、葛飾区は23区で初めて実施を表明。
区立小中の学校給食費を葛飾区が来年4月から無償化します。23区では初めて。
青木克徳区長は、物価高騰による家庭の負担感を考え「負担の軽減は重要な課題」と説明しました。東京新聞 TOKYO Web https://t.co/YocUZRYjI4
— 東京新聞社会部 (@tokyoshakaibu) September 7, 2022
保坂区政が始まって10年が経つが、行財政改革は手付かずである。保坂区長は、任期終了ごとに受け取る区長退職金制度の廃止を選挙公約に盛り込んでいたが、すぐに撤回し満額を受け取っている。ふるさと納税による区外への税金流出も年々増加。昨年度は70億円まで膨れ上がり、何ら有効な手立てを講じていない。そのくせ、「地域行政推進条例」なるものをぶち上げ、区長(行政)と区民を直接つなぐという美名の下、議会の影響力弱体化を目論んでいる。
つまり、学校給食無償化を阻んでいるのは、保坂区長の怠慢とパフォーマンスに特化した政治のせいだ。今年からDX専門の副区長を民間から招いた。DX推進は財源捻出の大きな武器になる。区長の各会派、議員への答弁を信じるのであれば、必ず実現できるはずだし、来年選挙を控える区長にとって、無償化は最高のパフォーマンスにもなる。冗談でなく。朗報を待ちたい。