「引きこもり」による痛ましい事件が起こった。この手の問題は珍しくなくなったどころか、増加の一途をたどる。
DVDの鑑賞邪魔され「怒り爆発」 60歳被告、両親殺害で初公判https://t.co/ua1HD9eRll
公判で示された証拠によると、被告(60)は大学中退後、無職のまま引きこもりがちな生活を30年以上続けていたとのことです。アニメや特撮のDVDを見たりすることが唯一の楽しみだったといいます。
— 毎日新聞 (@mainichi) December 14, 2022
世田谷区内の引きこもりは約5000人と推定され、実際はその何倍にもなると言われている。かねてから実態がなかなか把握できないと指摘されてきたが、コロナ禍で在宅勤務者が増えたこともあり、なおのこと表面からは窺い知れない。どういう場面でその存在が分かるかと言うと、親の介護に直面するときである。行政が介入して初めて「8050問題」の所在がわかる。今ではもっぱら「9060問題」であり、この福岡市の事件もその典型例と言える。
引きこもり問題は、早期の対処が必要だ。親子ともに高齢になればなるほど、手の施しようがなくなる。行政は介護、就労、障がい者対策など様々な窓口を設けてはいるが、いかんせん縦割りであるため、情報共有という点では極めて脆弱である。つまり、把握が遅くなる。問題を抱えている家族も、どこに相談したらよいかわからないという実際があった。私は議会で横断的な引きこもり専門の窓口を世田谷区で設置するよう強く求めてきた。こうして実現したのが「リンク」である。
リンクでは、何でも相談に乗ってくれる。どんな些細なことでも大丈夫。まずは連絡である。悩みを抱えている多くの方々に、積極的に利用して頂きたいと切に思う。