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なぜ⁉ 世田谷区新本庁舎の完成が延期

世田谷区はこれまで、老朽化による本庁舎建て替え工事を進めてきた。予定では今年9月に1期棟が完成する予定だったが、突然、受注者の大成建設が計8ヵ月の工期延期を申し入れてきた。庁舎内には激震が走った。

私ひえしまは、本庁舎整備に関する特別委員会副委員長として、これまで工事の推移を見守って来た。実は、大成建設が完成日の延期を通知してきたのは、今回が初めてではない。昨年12月に、コロナ禍での人員不足などを理由として、「2ヵ月伸ばして欲しい」と言ってきたので、様々な状況を斟酌して議会も了承した。資材の価格高騰についても、区は真摯に対応してきた。

その時点では何の不備も報告されておらず、完成は7月から9月へと変更になったのだが、ここに来て今度はさらに半年延期というのは、驚きを通り越して唖然とするばかりである。しかも、大成建設から特段の理由は説明されない。ただ「弊社の落ち度であり、重く受け止めている」とするだけ。さすがに、世田谷区は納得せず、大成側へ原因や対策、これからの工程等を記した報告書を6月9日までに出すよう強く要求した。

保坂区長も指摘するように、区は工期延長による影響を正確に把握しなければならない。損害賠償請求も当然あり得る。何しろ区民の血税が、無駄に使われることがあってはならない。立て続く大成建設の不祥事には、不審の眼が向けられている。

しかし、自ら認めるように大成建設に非はあるが、議会として、区にまったく問題がなかったのか、ということも調査しなければならない。そもそも、初めから「難工事」と言われていた世田谷区新庁舎の建設だったが、そうなったのは、保坂区長の「区民会館の保存」という“こだわり”のせいなのである。複雑でややこしい工事を招来したのは、前川建築への“区長の異常な愛情”にあることを忘れてはならない。


世田谷区議会は、6月下旬に特別委員会に大成建設の関係者を招致し、質疑を行う予定。区の判断ミスはなかったのかということも、議論しなければならない。