保坂区長は4月1日、以下のように区立小中学校の分散登校を発表した。
東京都世田谷区は1日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、春休み明けの区立小中学校を当面は分散登校とする方針を決めた。各学年別に登校日を3日ごとに設定し、児童・生徒が密集しないようにする。通常の授業はゴールデンウイーク(GW)明けの5月7日から開始する。https://t.co/LrD2JvgYhz
— 保坂展人 (@hosakanobuto) April 1, 2020
その直後、私のもとに保護者の方から抗議の電話やメールが届き出し、内容は、異口同音に「分散登校を止めるように言ってくれ」「子どもや先生が感染したらどうするんだ」というものだった。私個人としては、目下の感染者数の急増からすれば、おそらく区は、早くとも5月の連休明けからの登校再開を探るものだと思っていたので、正直驚いた。区は自主判断で登校しなくても、欠席扱いにはしないと言っていたので、保護者の皆さんには「無理せずに休ませたらいかがでしょう」と言ったのだが、納得できない方々が多くいたようである。
私も今回の区の決定には驚きました。まず、区長はなぜこういう決断をしたのかしっかり説明するべきです。一方、「登校をしなくても欠席扱いにしない」としていますから、自己防衛として、主体的な判断も必要だと思います。 https://t.co/xDtZbVvae7
— ひえしま 進(世田谷区議会議員🐶日本維新の会🐱世田谷区) (@hieshima_susumu) April 1, 2020
教育ジャーナリストを名乗るくせに、保坂区長は相も変わらず分散登校の狙いをまったく語らなかったので、抗議の声はみるみるうちに大きくなり、私以外の議員にもかなりの苦情が押し寄せているとのことだったので、区役所に相当殺到したことは想像に難くなかった。仄聞するに、ある役人は、今回の“世田谷オリジナル”の分散登校は名案だと得意満面に語っていたそうだが、役人の発想というものは、往々にしてかくも一般区民とはかけ離れているものである。結局、発表してからわずか2日後の今日、撤回に追い込まれた。
「新型コロナウイルス感染症」の感染拡大を受けて、区立小中学校の「分散登校」等を中止します。(4月3日 区長メッセージ) | 世田谷区ホームページhttps://t.co/R81oUCK0B4
— 保坂展人 (@hosakanobuto) April 3, 2020
私も今年小学校に入学する子どもがいるのだが、スケジュールはもとより、いろいろな準備を変更し、そう思ったら、また変更し、人にも頼みごとをしていたので、またそれを変えてもらい、と右へ左へ翻弄されっぱなしであった。おまけに、ついさっき、学童保育も中止する、入学式も取りやめる、と小出しに発表するせいで、保護者としては対応するだけで疲労困憊である。一貫したビジョンがないから相次いで変更を重ねることになるわけで、これほど区民を不安に晒すとは、まったくとんだ“教育ジャーナリスト”と言わざるを得ない。自分の得意分野でこれだから、あとは推して知るべしである。私は怒っているし、多くの区民も同様だ。この決着はリング(議会)でつけるしかない。