本日(9月1日)午前9時から、世田谷区議会で企画総務常任委員会が開かれた。区長が“世田谷モデル”について正式に記者会見してから、補正予算を審議する初めての委員会ということで、各会派の態度に注目が集まった。
まず、わが会派(無所属・世田谷行革110番・維新=F行革)からは、桃野芳文委員が質疑。区内の介護事業者など23000人のうち、希望者に2ヵ月もかけてたった1回のみPCR検査を行う“世田谷モデル”に、4億円もの血税を投入することについて厳しく質した。そもそも、保坂区長がテレビで「誰でもいつでも何度でも」とぶち上げた際、見習うとしたニューヨーク州の検査について、世田谷区の人口規模や感染者、死者数など社会的状況とはあまりにも異なっており、そのままそっくり参考にすることには無理があると指摘。案の定、今回出てきた“世田谷モデル”の中身は、テレビでぶち上げていた内容から大きく変わり、23000人のエッセンシャルワーカーに1回のみ、2ヵ月かけて実施することになったが、これも区が主張するようなクラスター対策、感染拡大予防のための施策としては、その効果に甚だ疑問があると主張した。さらに、“世田谷モデル”が採用予定とする、東大先端研の児玉龍彦名誉教授のプール方式の実証試験は、目論見が外れて失敗に終わり、区への報告も未だに行われていない状況に触れ、肝心の検査方式すら見通しがはっきりしない中で、この補正予算案を認めることはできない、と斬り捨てた。
区側は副区長が答弁に立ったが、いきなり、「この予算案を一度引っ込めさせて欲しい」と言い出し、「ついては、明日(9月2日)正午からの福祉保健常任委員会に再度提出したい」と宣言。委員一同、「はあ?」という感じになり、今日の企画総務委員会では正確な中身がわからず、質疑できないという異常事態に。さすがに、区長のでたらめプランに、区は辻褄合わせにてんてこ舞いの様相。再度、理論武装の必要性に迫られた。自民党会派からも、「国や都と連携せず、区が独自に税金を使って実施する必要性はあるのか?」と疑義を呈せられ、公明党会派も「現場の声としては1回よりも複数回、検査を実施することを期待されている」と意見。区長の出身政党を抱える立憲民主党社民党会派が、「区民の安心・安全のために実施する意味がある」と唯一賛意を示したが、そのほかの会派からも、やはり、検査の有効性に疑問の声が上がった。
かくして、役人たちは、区長の妄想をどう現実に形にするかということに、多大な労力を強いられていることは明らかだ。区長会見の中身からさらに修正したいということなので、明日の福祉保健委員会に出てみなければ正確なことはわからない。わが会派からは、大庭正明議員が委員として出席。私は委員ではないが傍聴に行く。それにしても、議会と役所を振り回す区長って何?