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“世田谷モデル”を撤回せよ! 注目の区長会見

今から約1ヵ月前、突然、保坂区長が連日テレビに登場し、ニューヨーク州をモデルに「誰でもいつでも何度でも」のPCR検査を世田谷区でも、とぶち上げ、世間は沸騰した。しかし、それは議会に一切報告がなかったばかりか、副区長以下、事務方もよく理解していない代物で、すべては区長の頭の中の出来事に過ぎなかった。

8月24日、ようやく本人が記者会見を開き、“世田谷モデル”について語ったが、散々メディアで喧伝したものとは似ても似つかず、①従来検査の強化、②介護事業者など23000人のエッセンシャルワーカー、しかも、そのうち希望者のみ2ヵ月もかけて、たった1回のPCR検査を実施するという内容に変わっていた。

①の従来検査の強化については、私も含めて、どの議員も反対してこなかったし、それどころか、要望をしてきたので、何も反対するものではない。よって、区長が言っていた“世田谷モデル”とは、②に血税4億円を投入するものにすり替わっていたということだ。区はこの案を補正予算を審議する企画総務委員会に提出したものの、各議員から異論が噴出し、いきなり撤回。内容修正に追い込まれ、翌日の福祉保健委員会に再提出するという失態を演じた。しかし、内容がほとんど変わらなかったことから、同委員会でも各会派から批判が集中し、わが会派(無所属・世田谷行革110番・維新=F行革)のみならず、最大会派の自民党からも「こんなのは認められない。出しなおせ」と指弾され、せっかく出した修正案をまたもや持ち帰るという異常事態に陥った。

区長が勝手にぶち上げたはいいが、誰が見ても「誰でもいつでも何度でも」は不可能で、しかし、区長は意固地になって引っ込めないので、区は苦心惨憺、辻褄合わせでも実現可能なプランを徹夜して練り上げた、というのが本当のところだろう。それは現在も進行中で、内部からは明日(9月7日)の区長会見に向けて、土日返上でツメの作業を行っているという声が聞こえている。いったい、どういう予算案になるのか注目だ。ここまでくれば、撤回もあり得るだろう。

もはや、区政は保坂区長のワガママによって、混乱をきたしている。国や都も有効で堅実なPCR検査の強化策を相次いで発表している。財政を考えても、これらと区がしっかり連携することの方がメリットが大きい。“世田谷モデル”という、希望するエッセンシャルワーカーにたった1回だけ、2ヵ月もかけて実施する検査は、多くの真っ当な医師や専門家がその効果を疑問視している。先の参院予算委員会の参考人質疑でも、わが党(日本維新の会)の浅田均政調会長の質問に対して、国立感染症研究所の脇田所長も疑問を呈していた。もはや保坂区長のパフォーマンスでしかない“世田谷モデル”に、4億円もの税金を使うのは人の道ではない。区長には速やかに持論を撤回し、科学的裏付けのある有効なPCR検査の拡大に予算を付け替えるよう、強く要求する。