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決算委員会でも多頭飼育崩壊について質問

世田谷区議会では決算特別委員会が開かれています。同委員会は、一日毎に各所管に関する質疑が行われ、私は昨日(6日)の福祉保健領域で今年7月、区内で発生した多頭飼育崩壊について質問しました。先の一般質問でも取り上げましたが、より細かく質疑できたのではないかと思います。詳細はネット録画をご覧ください。冒頭から始まります。

以下は、質問内容です。理事者(役所側)の答弁は、まだ文字起こしされていないので、私の分のみですが、ご一読くだされば有難いです。
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おはようございます。

無所属・世田谷行革110番・維新の質疑を始めます。

〇先の一般質問で取り上げました、今年7月、区内で発生した多頭飼育崩壊の件について質問します。このブリーダーと目される飼い主は、秋田犬を主として20頭以上を飼育していました。悪臭や鳴き声について、かねてから近隣住民の方が役所に相談していたとのことですが、保健所はいつからこのことを把握し、どのような指導をしていたのかお答えください。

〇保健所の指導によって、一時は頭数が減ったようですが、また増えていたということです。この手の問題は、飼い主の主体性に関わるので、指導が難しいということも承知していますが、力強く粘り強い説得を期待するものです。今回、長年にわたる飼い主による家賃滞納で、家主が裁判所に訴え出たことにより飼い主が追い出され、犬の所有権が、法律上、飼い主から家主へ移りました。家主は突然、20頭もの犬を世話しなければならなくなり、困り果てて相談したということですが、保健所はどのように対応しましたか?

〇今の話ですと、保健所職員が現場へ赴き、ペットの水やりは出来たということですね。そして、都の動物愛護相談センターに早く引き取ってもらうよう、保健所から働きかけたということもわかりました。しかし、ここで問題になったのが、引き取り完了するまで、誰がエサやり、つまり給餌をするか、ということです。今回は動愛センターの引き取り完了まで約1週間かかりました。その間、放っておけば犬は衰弱し、最悪の場合は死んでしまいます。本来、給餌は誰が行うべきですか? 保健所や動愛センターではできないのか確認します。

〇おっしゃる通り、今回のケースは所有権を有する家主ですね。しかし、家主は犬が苦手ということもあり、しかも、秋田犬という大型犬ですから、実際問題、給餌は極めて難しい。これは保健所職員も同じことだと思います。今回は、近隣の方が動物愛護のNPO団体である「みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」に連絡し、この団体が給餌をしてくださって助かったわけです。保健所が給餌できないのであれば、なぜ、こういった団体を紹介できなかったのか。日常からこうした団体と情報交換や交流を持つべきだと思うが、答弁を求めます。

〇一般的に飼い主は、狂犬病予防法により、予防接種と飼い犬の届け出、つまり畜犬登録をするよう義務付けられていますが、私の調べでは、今回、予防接種は全頭済ませていたようですが、畜犬登録は2頭しかしていなかったことがわかっています。これについては、保健所の責任ですから、今後、このようなことがないように厳しく指摘しておきます。ここでお聞きしますが、予防接種や畜犬登録を行っていない場合、保健所はどう指導していますか?

〇これも私の調べでわかったのですが、飼い主は生活保護受給者だったということでした。確認しますが、生活保護受給者のペットの飼育は、禁じられているのかいないのか、教えてください。それと合わせて、そもそもケースワーカーは、これだけの頭数を飼育していることに不審を抱かなかったのかという疑問を持ちます。生活保護受給者が、いつの間にか犬や猫を飼育しているケースもあると聞きますが、ケースワーカーが、生活保護受給者の多頭飼育の現状を見たときには、通常、どのように対応するか、見解を伺います。

〇最近、各地で報告されている飼育崩壊のケースは、いま言いました生活保護受給者のほか、身寄りのない高齢者、何らかの重い持病のある方だったりと、福祉所管が把握している方が飼い主である場合が多いのが特徴です。以前、私も議会で取り上げました「8050問題」とも関連しています。ですから、福祉所管と保健所の連携が最大のポイントであり、今後の課題でもあると思いますが、認識をお聞かせください。

〇一番の問題は、飼い主が突然死亡した場合、ペットは個人財産であることから、役所はもとより他人が関与できないという問題が発生します。そうこうしているうちに、ペットが餓死するというケースが全国で多発しており、こういうケースでは保健所はどういった対応をするのか教えてください。

〇東京都は「動物愛護推進員」をボランティアの方に委嘱しておりまして、その定義は「動物への理解と知識の普及のため、地域の身近な相談員として、住民の相談に応じたり、求めに応じて飼い方の助言をするなど動物の愛護と適正飼育の普及啓発等の活動を行う方」とあります。世田谷区も11名の推進員が活動されているので、飼い主が死亡した場合の新たな引き取り手についての相談などで、保健所は連携を深めるべきだと思いますが、見解をお聞きします。

〇最後に、世田谷区内で犬猫の飼育放棄はどれくらいあるか、教えてください。

〇今後、独身世帯が増えているなど、ライフスタイルの変化とともに、ペットとの共生にまつわる課題も増えていきます。保健所はこれまでの常識に囚われず、動物愛護の観点から、常にアンテナを高くし、動物愛護推進員やNPO団体、さらには町内会などとも日常から情報交換し、飼育崩壊や動物虐待の防止に努めるよう要望し、私の質問を終わります。
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次の質問は明日(8日)17時30分からです。この日は都市整備領域。またご報告します!