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都構想否決、新たなスタートへ

大阪都構想が否決された。

「反対」69万2996票
「賛成」67万5829票

と、前回と同じく僅差ではあったが、われわれ賛成派は敗れ去った。

大阪市民の皆さんは、色々と考えに考えて投票したことが伝わってきた。街頭活動していると、「維新は好きだけど、都構想はねえ」という声が、聞こえた。「私は賛成だが、娘夫婦は反対なんだよ」。「二重行政はダメだが、維新がずっとやればいいよ」。一方で、「大阪を壊すな!」「地域格差を生むからダメ」「維新は嫌い」というストレートな声もあった。しかし、こういう意見は皮膚感覚では少数派という感じであったが、結果は反対が上回った。投票行動というのは、現場でもなかなかわからないものである。

都構想敗北を受けて、わが党の松井代表が辞意を表明した。市長職は任期を全うするものの、大阪維新の会代表は近く辞め、日本維新の会代表は衆院選後に退くということに。私個人としては、否決という事実もかなり堪えているが、松井代表が政界を引退することは、極めて残念だ。そのため、ここ数日食欲がない。

さて、わが世田谷区の保坂区長は、都構想に関して「反対」の立場から色々なところに顔を出していた。辻元清美衆院議員のツイッターにも登場し、特別区のダメっぷりを懸命にアピール。


特別区が東京都に権限を奪われていることはその通りで、長年、23区は委譲のための運動を展開してきた。ひとつの成果として、世田谷区は今年から児童相談所を独自に開設することができたが、これは、保坂区長が努力した結果でもなんでもなく、その前の歴代区長の汗と涙の結晶である。すでに決定されていたことが、保坂区長のときに実施されただけ。そもそも、大阪都構想は大阪市を4つの特別区に編成し直すものだが、その特別区は23区よりもはるかに権限を有した、いわば「スーパー特別区」であって、否決されたにせよ、モデルとして参考にすべき要素がたくさんある。しかし、それを真っ向から否定し、「世田谷区を政令市に!」と叫んでいるのは、よく内容を理解せずに発言しているとしか思えない。あるいは、ただのポジショントークである。

だいたい、本気で政令市になるつもりなら、区長としてこれまでどういう努力をし、実現のためにいかなる計画を練っていくのか。全く聞いたことがないので、このことは、議会でしっかり問うていきたい。

吉村府知事によれば、「都構想を掲げることは二度とない」ということで、維新としての看板政策を失った、というメディアの指摘がある。しかし、私たちが地方分権や行財政改革という目標を失ったわけではなく、より地域に即した具体的な政策をブラッシュアップしていくことに変わりはない。世田谷区がさらに素早く住民ニーズに応え、ますます住みやすい街になるよう、これからも努力していきたい。