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感染者300名を超えた世田谷区と区長

世田谷区内のコロナ感染者が300名を超えた。約1カ月前のコラムで指摘した通り、保坂区長のリーダーシップのなさが招来した結果といえる。区長は最近、テレビやラジオに出演していろいろ現状を“論評”しているようだが、それはあくまで論評であり、政治家としての決断、展望ではない。何一つとして先手を打ったことはなく、「政府の対応が遅い」「政府が区に何も聞いてこない」と言い訳を並べ、動いたと思ったら、政府でなく野党に陳情している始末である。

そもそも、誇らしげに語っている内容があったとしても、それは独自のリーダーシップから生まれたものではなく、役所のどこからか言われたことをやっているようで、特筆すべきものはない。3月上旬に開かれた予算特別委員会で、私も含め各議員が保健所の在り方やPCR検査などの対策、それにまつわる不安材料を指摘していたにも関わらず、まったく何も取り入れていないところを見ると、委員会の内容は何も聞いていなかったと思わざるを得ない。今週開かれた常任委員会においても、感染者について役所から何の報告もなかったわけだが、区長の議会軽視は尋常ではない。この体たらくであるがゆえ、ついに区職員にも感染者が出た(リンクはこちら)。

私のもとにはいろいろ区民からの問い合わせが来ているが、最近多いものとして、小中学校がいつ再開されるのか、というものがある。区内には毎週、保護者に電話をして様子を聞いてくる学校もあれば、まったく何も尋ねてこないところもあるというばらつき具合で、とくに幼稚園、保育園から初めて小学校に通う新1年生の親御さんの不安は尽きない。私もその一人であるからよくわかる。今日の新聞報道にもそのことがあった。それに、eラーニング云々だってろくに始まっていないし、このまま何もせず終わる可能性すらある。「子どもを一人も置き去りにしない」と常々言っている教育長も何をしているのかさっぱりわからない。このままでは、大多数の子どもが置き去りにされる。

私がこのことを聞くと、「国の方針が決まってないので、何もできない」と役所は言うのだが、何ができるか、どうすれば保護者の不安は解消できるのか、というふうに頭が向かない。区長は教育ジャーナリストと称しているのだから、とくにこの分野だけでもリーダーシップを発揮してもらいたい(望みは薄い)。政府に文句を言うのは結構だが、本気で政府と戦ってもらえないだろうか。中学時代から体制と戦ってきた“闘士”なのだから。