本日で役所は仕事納めですが、同様の職場も多いかと存じます。まずは、皆様、本年も大変お世話になりました。また、年末にも関わらず、保健所や医師会はもとより、医療現場で奮闘されている皆様に、心からの感謝と敬意を表します。議員として出来得る限りのバックアップをして参りますので、引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
振り返れば、今年はコロナに始まり、未だ終わりが見えないという、私たちはこれまでに経験したことのない不安のただ中に立たされている。世田谷区においては、感染拡大の第1波と目される4月、行政の無為無策から、PCR検査がスムーズに受けられず、命を落とされた方もいた。いち早く、世田谷区医師会が協力を申し出ていたにも関わらず、区はそれをスルーし続けていたことについて、私は議会で厳しく追及した(こちらを参照)。
その後、区はゆるゆると重い腰を上げ始めはしたが、区民の不安を払拭することは出来ずじまいだった。そこで名誉挽回とばかりに突如として出てきたのが、あの“世田谷モデル”だ。7月末から保坂区長が連日、メディアで「ニューヨーク州をモデルに、誰でもいつでも何度でも、PCR検査を受けられるようにしたい」とぶち上げ続け、問い合わせが殺到。議会にはまったく報告がないため、議員たちは区民に何ら説明ができなかった。役所も詳細は不明だと繰り返し、区政は大混乱に陥った。
当然、議会は財源すら不明確で、イメージばかりが先行する“世田谷モデル”と、区長のパフォーマンスに一斉に反発。各会派から批判が巻き起こり、“世田谷モデル”の原案は二転三転した。それでも議会は承認しかねるという雰囲気だった。だが、いざ採決になると、私たちの会派の4議員以外、すべての議員が賛成に回ってしまった。何が起こったのか俄かには信じ難かったが、かくして「誰でもいつでも何度でも」とは大きくかけ離れた“世田谷モデル”が、血税4億円を投入してスタートした。
それから2ヵ月あまりが経過したが、対象を2万数千人のエッセンシャルワーカーに絞ったものの、希望者はたった3割しかいないことがわかった。無症状者に実施する“世田谷モデル”は、そもそも魔女狩り的様相を帯びていたわけで、こんな検査を進んで受けたいと思う人はいないということを、私は初めから指摘していたのだが、その通りになった(こちらを参照)。さらに、あろうことか、1月で終了としていたのに、プール方式を導入し、3月まで延長すると予定変更。ここでさらに血税8000万円が使われる。希望者が3割しかいないのに、なぜ大量検査できるプール方式が必要なのか。これも区長がこだわっているからに他ならない。政治家にとって実績は重要だが、それがパフォーマンスに堕するようであれば、ただの害悪でしかない。区民は区長のモルモットではない、ということをしつこく訴えておく。
かくて“世田谷モデル”は来年も続く。陽性者の増加は続いている。議員として監視の眼を光らせていくのは当然だが、区政にはそのほかの課題や問題も山積している。これからも、既得権益や特定団体に阿ることなく、区民目線で是々非々を貫き、保坂区政に対峙していきたい。